鍼灸治療は中国で誕生して進化してきました。日本へは遣隋使が、そのノウハウを持ち帰ったと考えられており、現在では独特な鍼灸技法が発達しています。この治療方法は良く知られている通り、鍼を体にさしたりお灸を使って刺激を与え、様々な症状を緩和・回復させることが特徴です。その効果は思い込みによるもの、と言う見方がされたこともありますが、現在では科学的見地から色々な効果が実証されており、現在ではWHOにも認められるに至りました。手術と薬品を駆使する西洋医学に比べて劣る部分もあるものの、鍼灸治療ならではのメリットが活かされる形で、現在は病院において取り入れられるケースもあるようです。現在、WHOで適用があると考えられている疾患は、実に多彩となっているので見ていきましょう。まず神経系の病については広く適用があると考えられており、自律神経失調症やノイローゼの他、脳の病気で後遺症が現れた時にも効果が期待されています。他には日本でもおなじみの、肩こりや腰痛などにも対応があるそうです。腱鞘炎やリウマチと言った、治療に時間がかかることもある疾患にも利用できます。交通事故による鞭打ちなどの後遺症も、効果が期待できるとされていました。他にも消化器や耳鼻・眼科系の病気など、対応がある疾患は多岐にわたります。鍼灸治療はWHOでも効果が見込まれるとされており、このために海外でも治療に取り入れる動きが出てきました。例えば極めて危険な感染症の一つであるエイズについて、鍼灸が用いられるようになっています。また、ドラッグ濫用者の治療にも取り入れられる動きが出てきました。アメリカでは2018年から鍼灸をはじめ東洋医学を、薬物中毒者の治療に用いると発表しています。このように日本を飛び出して海外でも利用されることが増えているため、その効果は一定の確実性があると考えて良さそうです。もしも西洋医学による治療で思わしい結果が得られない時には、鍼灸も併用してみるのも良いかも知れません。
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